
内村政光 株式会社グローバルファシリテーション 代表取締役
一瞬で場を変え、15分でバラバラなメンバーのベクトルを合わせ、戦えるチームをつくる専門家。ファシリテーションを駆使した相手との関わり合いで、組織コンサルティング、コーチングをはじめとした事業戦略で成果を出す。得意分野は人材育成、組織改革など。全体最適の戦略からもたされる効果は、目先の戦術にとらわれがちな経営者にまさに目からウロコの体験を提供している。

from 内村 政光
「ウィンドウズと言えば
マルチタスク。
マルチタスクと言えば、ウィンドウズ」
というくらい「マルチタスク」とは
一度に色々なことを行うことですが、
実は、一度にいろいろなことをやることが、必ずしも
作業効率がよいとは限らないことはご存知でしょうか?
ということで、今回は
質問3:あなたは1回にひとつのことを行っていますか?
についてお伝えしていきます。
今回も、私が実際に行って効果が出ていることを伝えています。
内村式と考えていただいてお読みください。
同時並行で進めることは果たして良い事か?
先ずは、一つのことに集中する前に、
世の中には情報が溢れていることに
気づかなければなりません。
例えば、パソコンで「時間の効率的な使い方」について調べているとします。
実際に調べてみると分かりますが、
「スケジュールを明確にする」
「目的を明確にする」
「先送りしない」
「メリハリをつける」
「To Do リストを作る」
「朝の時間を有効活用する」
「やらないことを決める」等々
様々な項目が書きまくられています。
しかし、これには根本的な間違いが含まれていることに
お気づきでしょうか?
こんなに並び立てられてしまうと、
どれもが魅力的にみえてきます。
例えば、「スケジュールを明確にする」と
「To Do リストを作る」を同時にやったとします。
つまり、あれもやり、これもやるということです。
(この時点でやることが2倍になります)
その結果、自分がやるべき行動が曖昧になりすぎて、
何をやってよいのかわからず、
結局はしりすぼみになってしまう可能性が高いのです。
ちょうど、デパ地下で自然食品ジャム24種類を
次々と主食しているうちに、
どの味がお気に入りかわからなくなり、
終いには、どれを買ってよいのかわからず、
結局手ぶらで帰ることになるように。
では、どうすればよいのでしょうか?
このような場合、私は自分に次の問いかけをします。
「自分が最も簡単にできる、次の行動は?」
これだけです。
これ以上でも、これ以下でもありません。
「あれも、これもやろう!」とすると、
結局は、全て中途半端になり、最後には何も残らないのです。
一つができてから、次の行動へ
移ればよいのです。
掛け持ちはなぜまずいのか?
上記のようにパソコンで
「時間の効率的な使い方」について調べている際に
気になる言葉や、箇所が出てきた際に、
ついついそれを調べに行ってしまう人が多いのではないでしょうか?
私のコーチングのクライアントで、止めるのもきかず、
それをやり続けた人がいました。
その結果、その人が望む結果には届きませんでした。
何事も中途半端に終わってしまうのです。
なぜ、このようなことが起きるのでしょうか?
ある作業をやっていて、周りの人から「ちょっと・・・」と
声を掛けられて、頼まれごとをやってしまうと、
どんなことが起きているのか考えてみると・・・
1.今自分が集中していることが中断を余儀なくされる
2.頼まれたことに集中するのに時間がかかる
3. 頼まれたことを終わらせ、もとの自分の作業に戻るのに
時間がかかる
他にもエネルギー等ありますが、ここは時間に集中します。
そんなの大したことないよ~と思ったあなた、
試しに、
一日、どのくらいこれをやって時間を取られて
しまったかを測ってみてください。
時間はタイマーで測れます。
ある経営者は1日の3分の1しか集中できないと言っています。
私もそうでした。
仕事の仕方を確認するには?
ここで1回に一つのことをやるために、
自分の仕事の仕方を目で確認することが大切です。
是非、自分の仕事のプロセスマップを作ってみてください。
品質管理の父とよばれているエドワードデミング博士は、
「自分のやっていることをプロセスとして書けなければ、
自分が何をしているのか分かっていない」と言っています。
次回は、
質問4:あなたは物事を行うときに、他の物が目に入ってきますか?
についてお伝えします。
追伸:だからデパ地下のジャム売り場では多くて6種類なのです。