
内村政光 株式会社グローバルファシリテーション 代表取締役
一瞬で場を変え、15分でバラバラなメンバーのベクトルを合わせ、戦えるチームをつくる専門家。ファシリテーションを駆使した相手との関わり合いで、組織コンサルティング、コーチングをはじめとした事業戦略で成果を出す。得意分野は人材育成、組織改革など。全体最適の戦略からもたされる効果は、目先の戦術にとらわれがちな経営者にまさに目からウロコの体験を提供している。

from 内村政光
前回のブログで企業を成長させるために、
経営者がいずれやらなければならないことをお伝えしました。
今回は”追伸”でお伝えしました通り、
別の視点から組織を成長させる方法についてお伝えします。
前提条件ツリー
前提条件ツリーとは、「現在直面している全てのことが、
目標達成を難しくしている原因であると考えられる場合、
アクションプランを策定するために用いるツールである」と言われています。
これにより、何が進むべき道の障害となっているのか、
何ができれば、目標達成を阻むものがなくなるのかを見つけるものです。
私の妻は、起こるであろう問題を考えるのがとても得意です。
例えば、私が草刈りをやっていると、
「ズボンが泥だらけになっているけど、何をしたの?」と言います。
私が、「見ればわかるだろ、草刈りだよ」と答えると、
「こんな昼間にそんなことすると、どうなるかわかっているの?
日射病になって、倒れてしまうわよ」と言うのです。
このように、どんなことにもネガティブな要素を見つけ出せるのです。
あなたの会社にもこのような人がいると思いますが、
社内にこのような人がいることは、そんなに悪いことではありません。
このような人は、このようなことを見つけることを得意とするので、進むべき道の障害となっているものを
全て探し出してくれるのには、大いに役立つのです。
なぜならば、経営者が気づかないそれらの障害を克服できれば、経営者が考えている計画を
成功に導くことになるからです。
実際に、筆者の友人の会社にも、まさに問題発見ハンターと呼ぶに値する人がいます。
ある資料を作成したのち、そのハンターに見せると、「ここが問題ですね」と
他人が気づかない所を指摘してくれます。
問題を脳力に変える
このような人が問題なのではなく、この人は問題、課題を見つける脳力がある
と考え、大いに活用しましょう。
問題を見つけられない人は、ちょっと物事をボ〜ッと見ていることがありますから、
問題を見つけられるのは能力なのです。
問題を能力という言葉に置き換えると、問題の見え方も解決の見え方も、さらには
そのハンターに対する見え方も変わってきます。
このことにより、そのハンターが持っているものの中で何を活かしていくと
よいのかが見えてきます。
従って、「あの人はネガティブ思考で、問題ばかり指摘する」ではなく、
問題を見つけるのが得意中の得意な人には、その力を活かして、
問題を見つけたら、能力という言葉に置き換えてみてください。
こうすることにより、一見組織の成長を阻んで、問題だと思える人が、
別な視点から観ることにより、周りの見方も変わってきて、組織の推進力
となります。
もちろん、その前提に経営者が考える、達成したいゴールが明確になっていること
なのは、言うまでもありません。
内村政光