
From 内村 政光
ある調査によりますと、創業した企業が10年で96%が
廃業に陥り、たった4%しか残らないという結果が発表
されています。
この事実から企業を存続させるためには、
企業を成長させる必要が見えてきます。
そのために一般では、事業計画書を作成し、
戦略策定を行い、それを実行に移すために
戦術を立てるのが常識となっています。
しかし・・・
ここからがポイント!
幾ら世界一の戦略、戦術をたててもそれを実践するのは「人」、そう「人」、
そこで働く人、つまり従業員なのです。これを忘れてはいけません。
芽摘み
先日、拙宅用にそら豆を作っていた時のことです。(ここでは、農業の話になります。(笑い)
そら豆の形が出来上がろうとしていた矢先に、筆者の農業の師匠が花の咲いている先の茎を
次々に摘んでいました。
師曰く、「大きな、実のしっかり詰まっているそら豆を作るためには、
芽摘みが必要なんですよ」と。
「そうか・・・」としばし考えていると。
「これって事業でも言えませんか?」という心の声が聞こえてきました。
バスに適正な人を乗せる
事業が成長し始めると、その規模に適した人数が必要になってきます。
私が体験したある中小企業でのことです。
そこでは、経営理念は無論、中期経営計画に基づいたビジョンを作り、
社員全員に徹底されるように、朝礼、昼礼等で説明し、研修も毎月行い、
そこで学んだことをどんどん実践するように色々工夫がなされていました。
特に入社3~4年の比較的若い世代の社員は、学んだことを直ぐにでも実践に
結びつけようと努力を重ねていました。
ところが、中堅と言われる社員は、事業拡大のための研修などを行っても、
「又か・・・」というオーラがでるばかりでなく、
先ほどの若い社員が実践しようとするのを、
それとなく否定するようになっていったのです。
癌になる
この状況では中堅社員が、若い社員の成長を止める癌になっているのです。
ご存知の通り、癌は放っておくと全身に飛び、終いには手の付けられない
状況に陥ってしまいます。
そうなる前に正しい処置をしなければなりません。
正しい処置とは、つまり、ビジョンを目指しているバスには癌になっている
社員を乗せないことです。
小規模経営者がやらなければならない事
この場合では、癌になっている社員と、じっくり膝を交えて話し、
態度を改めてもらうか、辞めてもらうかなのです。
本当に癌が全身に回ってからでは手の施しようがないからです。
確かにその中堅社員は、生産性も高く、売上に貢献しているかもしれません。
しかし、それもいつまででしょうか? 目先の利益に捕らわれず、
2年後の状況を考えれば、その中堅社員をどうするかについて
先手を打つ必要があるのではないでしょうか?
適切な人材をバスに乗せ続けることが事業安定、拡大へとつながるのです。
急がば回れ
内村 政光
追伸:次回はこのことを別の視点からお伝えします。